高齢者を狙う悪質訪問販売の事例と対策

高齢者

警視庁の発表によると、令和6年度の特殊詐欺被害のうち、高齢者(65歳以上)が占める割合は78.3%、件数にして約1万5,000件近くあるそうです。

私、主人と主人の母(80代・要介護1)、娘二人(高校生、小学生)と暮らしています。

先日、主人の母が悪質訪問販売に引っかかってしまったのでそのことをお話します。

家族が仕事や学校で留守にしている間の話なので母から聞き取りした内容です。

「古いふとんをお引き取りします」

3月末、自宅にある男性が訪問してきました。

「古いふとんはありませんか。今、近所を回っていまして古いふとんを回収させていただいています。」

母は納屋に古いふとんがあることを思い出し、出そうと思いました。

男性は、古いふとんを引き取り「代わりに新しいふとんを買ってください」と提案してきました。

孫(私の娘)が二人いるので、孫のためにと新しいふとんを二組、母は注文してしまいます。

新しいふとん二組で10万円!です。

年金日の集金と納品

販売員の男性は年金日の4月15日、新しいふとんを納品し、代金10万円を集金していきました。

この際、男性は契約書と領収書を書き、母にそれを渡しましたが、

「これで私とあなた(母)のやりとりは終了したので、この場で、契約書と領収書を破ってください」

と母に言ってきました。

母は言われた通り、その場で契約書と領収書を破り紙切れを男性に渡しました。

これで、契約書、領収書はこちらには何も残りませんでした。

集金と納品から5日後

母から、ふとんを買ってお金がなくなったと訴えがありました。

この時まで私たちは何も聞いていなかったのです。

買ったふとんを見てみると、どう見ても10万円もしない粗悪品です。

しかも、契約書も領収書も残っておらず、クーリング・オフもできません。

連絡しようにも相手業者のことは何もわかりません。

孫のためにふとんを買ったという母を強く怒ることもできず、泣き寝入りするしかありませんでした。

※クーリング・オフとは?

契約や申込後でも一定期間内であれば、無条件で契約を解除または申し込みを撤回できる制度です。

訪問販売や電話勧誘販売の場合は、契約書面を受領した日から8日間クーリング・オフできます。

再度、被害が起こらないよう対策を考えてみました。

高齢者を狙う悪質な販売への対策

  • 簡単にドアを開けない

知らない人の訪問には要注意です。

  • 防犯カメラをつける

うちには防犯カメラがついていませんでした。

もしかしたら、近所の防犯カメラに業者の車や姿が映っていたかもしれません。警察に相談して、そこから犯人を逮捕してもらうことができたかもと今になって思います。

  • コミュニケーションをとる

ずっと、お互いに干渉しないスタンスでしたので、普段からコミュニケーションが足りなかったことを反省しました。

いつもと違う様子を感じたら声をかけたり、ひとりで判断しないこと、心配事ができたときはすぐに相談してくれるよう話しました。

  • 電話に録音機能をつける

悪質販売は訪問だけでなく電話での勧誘も多いです。

電話を録音できるようにしておくと、万が一の証拠になるだけでなく、電話相手への警告にもなります。

さいごに

悪質な訪問販売や、電話勧誘などニュースではよく耳にしていましたが、まさか家族が狙われるとは考えていませんでした。

自分や家族は大丈夫と考えず、「自分の身近でも起こるかも」と考え、事前に対策することをおすすめします。